こんにちは、カンテサンス・ウェブマーケターの高橋です。
「MEO(Googleマップ対策)に取り組みたいけれど、いったい何から手をつければいいのか分からない」——MEOに取り組み始めた税理士の先生から、本当によくいただくご相談です。
実は、Googleマップで自事務所を上位表示させる施策に取りかかる前に、必ずやっておきたい準備があります。それが「商圏内の競合リサーチ」です。
自分が戦うフィールドに、どんな事務所が、どんな評価で、どんな打ち出し方をして、どんな方法で集客しているのか。これを把握せずにプロフィールをいじっても、的外れな改善になりがちなのですね。逆に、競合の「勝ちパターン」と「弱点」さえ見えれば、何を真似て、どこで差別化すればよいかが一気に明確になります。
この記事では、Googleマップと無料の公開ツールだけを使って、商圏内の競合を体系的にリサーチする手順を、税理士事務所の実情に合わせて余すことなく解説しますね。半日もあれば、あなたの商圏のリアルな競争地図が手に入りますよ。
- Googleマップで商圏内の競合を効率よくリストアップする方法(最適な半径と、記録すべき項目)
- クチコミ数・評価・レビュー本文から、競合の実力と顧客の本音を読み解くコツ
- 競合が打ち出している「強み・専門分野」を掴み、自事務所の差別化ポイントを見つける方法
- 無料の公開ツールで、競合のGoogle広告・SNS広告の出稿状況まで確認する手順
なぜ税理士のMEOに「商圏内の競合リサーチ」が必要なのか
まずは、なぜ施策よりも先に競合リサーチが必要なのか、その理由を整理しておきましょう。ここが腹落ちすると、リサーチの一つひとつが意味を持って見えてきます。
見込み客が税理士を探すとき、「税理士 ○○市」「○○区 税理士 相続」のように、地域名 × キーワードで検索するケースが非常に多くなっています。このときGoogleマップ枠(ローカルパック)に表示される数件が、そのまま問い合わせ先の候補になります。
つまりMEOの競争相手は、全国の有名事務所ではなく、あなたの商圏内で同じキーワードに表示される「数件の事務所」だけ。相手が具体的に特定できるからこそ、リサーチの費用対効果が極めて高いのです。
リサーチで手に入れたいゴールは、次の4つに集約されます。この記事では、この4つを順番にクリアしていきます。
競合リサーチで明らかにする4つのこと
- 商圏内の競合は「誰か」をリスト化する(STEP1)
- 各競合がどれくらい「Googleマップ上で評価されているか」を知る(STEP2)
- 各競合が「何を強みとして打ち出しているか」を掴む(STEP3)
- 各競合が「どんな方法で集客しているか」を知る(STEP4)
【STEP1】Googleマップで商圏内の競合をリストアップする
最初のステップは、どこまでを競合とみなすかの「範囲」を決め、対象事務所を一覧化することです。ここが後続のすべての土台になります。
まずは「商圏(リサーチ範囲)」を決める
リサーチの第一歩は、どこまでを競合とみなすかの範囲設定です。税理士は飲食店や美容室と違い、来店頻度が低く、顧客が多少遠くても許容する傾向があるため、商圏はやや広めに考えるのが基本です。一方で、Googleマップのローカルパックは検索者との物理的な距離に強く影響されるため、エリアの人口密度によって最適な半径が変わります。目安は以下のとおりです。
東京23区・大阪市中心部など、事務所が密集するエリア。範囲を絞っても十分な数の競合が集まります。
主要駅やビジネス街を中心に。商圏が広がりやすいので、やや広めに競合を拾います。
そもそも事務所数が少ないため、市区町村単位で広めに設定するのがおすすめです。
ただし、半径の数字はあくまで出発点です。最も実態に近いのは、「あなたの顧客が実際にどのエリアから来ているか」と「『地域名 税理士』で検索したときに上位に出てくる事務所はどこか」の2軸で考えることです。半径で機械的に切るより、実際の検索結果で競合を拾うほうが精度が上がります。具体的には、自事務所の所在地周辺でGoogleマップを開き、「税理士」「税理士 相続」など狙うキーワードで検索して、上位に表示される事務所を拾っていきます。
リストに記載する項目
リサーチは、Googleスプレッドシートなどで一覧化すると、後の比較が一気に楽になります。最低限、以下の項目を列として用意しましょう。STEP1ではまず基本情報を埋め、強みや広告は後続ステップで追記していくと効率的です。
| 項目 | 記載内容 | リサーチでの使い道 |
|---|---|---|
| 事務所名・法人名 | Googleビジネスプロフィール上の正式名称 | 後続の広告調査で検索キーワードになる |
| 公式サイトURL | プロフィールにリンクされた自社サイト | 強み分析・料金・専門分野の確認 |
| 住所 | 所在地 | 商圏内かどうかの判定 |
| 自事務所からの距離 | おおよそのkm | 競合の優先度づけ |
| 電話番号 | 掲載番号 | 補足情報 |
| メインカテゴリ | 「税理士事務所」「会計事務所」など | カテゴリ設定の傾向把握 |
| サブカテゴリ | 設定されていれば記録 | 差別化のヒント |
| クチコミ数 | レビュー件数 | 評価の信頼度・蓄積度 |
| 平均評価 | 星の数(例:4.6) | 顧客満足度の目安 |
| 営業時間 | 掲載されている時間 | 利便性の打ち出し方 |
| 写真の枚数・内容 | 事務所内観・スタッフ・実績など | 視覚的訴求の充実度 |
| 投稿の有無・頻度 | 最終投稿日など | 運用の本気度 |
| 訴求ポイント(強み) | 相続特化・創業支援・freee対応など | STEP3で記入 |
| Google広告の出稿 | 有/無・内容 | STEP4で記入 |
| Meta広告の出稿 | 有/無・内容 | STEP4で記入 |
| 備考 | 気づいたこと | 自由記述 |
具体的な手順
リストアップの手順
- パソコンのブラウザでGoogleマップを開き、自事務所の所在地周辺を地図の中心に表示する
- 「税理士」で検索し、表示された事務所を上から順にリストへ転記する
- 「税理士 相続」「税理士 創業」など、狙うサブキーワードでも同様に検索し、新たに出てきた事務所を追加する
- 各事務所をクリックして、名称・URL・住所・クチコミ数・評価などをリストに記入する
- 商圏内(決めた範囲内)の事務所に絞り込み、10〜20件程度の一覧を作る
なお、Googleマップのローカル検索結果は検索する人の現在地によって変わります。自事務所の場所を起点にした結果を見たい場合は、PCで自事務所周辺を地図の中心に表示させた状態で検索するのがおすすめですよ。
「自事務所の商圏で、競合が誰なのかをまず整理してほしい」方へ
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商圏リサーチを無料で相談する【STEP2】Googleマップの「評価」を正しく読み解く
競合をリスト化したら、次は各事務所の評価を分析します。ここで見るべきは、星の数だけではありません。3つの視点で読み解きましょう。
① クチコミ数(レビュー数)
クチコミの「件数」は、その事務所がどれだけ顧客との接点を積み上げてきたかの指標です。一般に、クチコミ数が多い事務所ほど検索ユーザーからの信頼を得やすく、MEOでも有利に働く傾向があります。
商圏内でクチコミ数が突出して多い事務所があれば、それが「攻略すべきトップ競合」です。逆に、上位表示されているのにクチコミがほとんどない事務所があれば、そこはクチコミ獲得施策で追い抜ける余地があると読めます。
② 平均評価(レーティング)
星の平均値(例:4.7)は満足度の目安ですが、単体で鵜呑みにしないことが大切です。
クチコミ数3件で星5.0とクチコミ数80件で星4.5、信頼できるのは後者です。評価は必ずクチコミ数とセットで見ましょう。また、評価が極端に低い(星3未満)事務所があれば、レビュー内容に「顧客が不満を感じるポイント」が書かれている可能性が高く、自事務所が避けるべき落とし穴のヒントになります。
③ クチコミ内容(テキスト本文)
実は最も重要なのが、星の数よりクチコミ本文です。ここには、顧客が税理士に何を求め、何に満足し、何に不満を持ったかが、生の言葉で書かれています。評価の高いクチコミを読むときは、次の視点でチェックします。
クチコミ本文から読み取るポイント
- 高評価の理由:「レスポンスが早い」「節税提案が的確」「相続に詳しかった」「クラウド会計に対応してくれた」など、顧客が褒めているポイントは、その事務所の実質的な強みです。
- 頻出するキーワード:複数のクチコミで繰り返し出てくる言葉(例:「丁寧」「親身」「わかりやすい」)は、その事務所のブランドイメージそのものです。
◆ワンポイントアドバイス
低評価のクチコミは、つい見たくないものですが、競合分析ではむしろ宝の山です。「連絡が遅い」「料金が不透明だった」といった他事務所への不満は、そっくりそのまま自事務所が”選ばれる理由”に変えられます。ネガティブな声ほど、差別化のヒントが詰まっているのですね。
【STEP3】競合の訴求ポイント(強み)を分析する
リストが揃ったら、各競合が「何を売りにしているか」を掘り下げます。確認する場所は主に2つ、Googleビジネスプロフィールと公式サイトです。
Googleビジネスプロフィールから読み取る
プロフィールでチェックする4項目
- メイン/サブカテゴリ:「税理士事務所」だけでなく「会計事務所」「経営コンサルタント」などを設定している場合、業務範囲の広さを打ち出していると読めます。
- ビジネス説明文:「相続税専門」「創業支援に強い」など、専門特化を明記している事務所が多くあります。
- 写真:事務所の内観、スタッフの顔写真、セミナーの様子などを載せている事務所は、安心感・親しみやすさを訴求しています。写真がほぼないなら、そこは自事務所が差をつけられる部分です。
- 投稿(最新情報):定期的に投稿している事務所は、運用に力を入れている本気の競合。投稿内容(セミナー告知、税制改正の解説など)からも訴求テーマが読み取れます。
公式サイトから読み取る
サイトのトップページとサービス紹介ページを見れば、その事務所が誰に何を売っているかが明確になります。チェックすべきは以下です。
| チェック項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 専門・特化分野 | 相続、創業・起業支援、医業・歯科、飲食、建設、IT、資産税、国際税務など。多くの事務所が何かに特化して差別化している |
| 料金の打ち出し方 | 料金表を明示しているか、「月額○円〜」と分かりやすく見せているか。料金の透明性は選ばれる大きな決め手 |
| 対応ツール | freee・マネーフォワード・弥生などクラウド会計への対応を明記しているか |
| 顧客層 | 個人事業主向けか、法人向けか、スタートアップ向けか |
| 強調メッセージ | 「節税」「経営支援」「スピード対応」「土日対応」「オンライン面談可」など、最も目立つ位置の言葉が主力訴求 |
これらをリストに記入していくと、商圏内で何が激戦区で、どこに空白(まだ誰も強く打ち出していない領域)があるかが見えてきます。その空白こそ、あなたの事務所が狙うべきポジションです。
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無料でMEO診断を受ける【STEP4】競合の集客方法をリサーチする
最後に、競合がMEO以外にどんな集客チャネルに投資しているかを調べます。一見「中の人」にしか分からない広告も、各社が提供する無料の公開ツールで誰でも確認できます。
① Google広告の出稿を確認する(広告の透明性について)
Googleは「広告の透明性について(Ads Transparency Center)」という公開ツールを提供しており、広告主名で検索するだけで、その広告主が配信しているGoogle広告・YouTube広告を閲覧できます。
URL:https://adstransparency.google.com/?region=JP
確認の手順
- 上記URLにアクセスする(ログイン・アカウント登録は不要)
- 検索バーに、STEP1でリスト化した競合の事務所名・法人名を入力する
- 地域(Region)が「日本」になっていることを確認する
- 表示された広告を確認する
このツールでは、広告主の所在地、広告のフォーマット(テキスト・画像・動画)、そして過去に掲載した広告を新しい順に確認できます。これにより、その競合がリスティング広告に出稿しているか、どんな見出し・コピーで訴求しているか(=力を入れているキーワードや訴求軸)、いつから出稿しているか(長く続く広告ほど成果が出ている可能性が高い)が分かります。
事務所名で検索しても広告が出てこない場合、その競合は検索広告に投資していない可能性が高く、リスティング広告は自事務所が先行できる領域だと判断できます。
② Meta広告ライブラリーで確認する(Facebook・Instagram広告)
Facebook・Instagram広告は、タイムラインに流れてくるのを待たなくても、Metaが提供する「広告ライブラリ(Meta Ad Library)」で確認できます。
URL:https://www.facebook.com/ads/library/
確認の手順
- 上記URLにアクセスする(ログイン・Facebookアカウントは不要)
- 「国」で日本、「広告カテゴリ」で「すべての広告」を選択する
- 検索窓に競合の事務所名やキーワードを入力する
- 表示された広告クリエイティブを確認する
ここで分かるのは、現在配信中の広告の内容です(原則としてアクティブな広告のみ表示されます)。広告のバナー・動画、コピー、リンク先、配信プラットフォーム(Facebook/Instagram)まで確認できるため、競合がSNS広告でどんな層に、どんなメッセージを届けているかが手に取るように分かります。
③ その他のチャネルも合わせてチェック
広告以外にも、競合が使っている集客チャネルを補足的に確認しておくと、全体像が掴めます。
あわせて見ておきたいチャネル
- 自然検索(SEO):狙うキーワードで検索し、競合のサイトが上位に出るか。オウンドメディアやブログを運用しているか。
- ポータルサイト:「税理士ドットコム」「税理士紹介エージェント」などの紹介サイトに掲載されているか。
- SNS運用:Instagram・X(旧Twitter)・YouTubeなどのアカウントを運用しているか、フォロワーや更新頻度はどうか。
これらをまとめると、各競合が「MEO中心」「広告中心」「SEO中心」「複合型」のどのタイプかを分類でき、商圏内の競争環境が立体的に見えてきます。
「リサーチ結果をもとに、具体的な集客の打ち手を考えたい」方へ
MEO・SEO・Web広告をどう組み合わせるべきか。競合が手薄なチャネルで先行し、限られた予算で成果を最大化するための戦略を、マーケティングのプロと一緒に設計しましょう。
集客戦略を無料で相談するリサーチ結果を自社MEOに活かす3つのポイント
リサーチは、やって終わりでは意味がありません。集めた情報を、次の3つの視点で自事務所の戦略に落とし込みましょう。
真似るべき「勝ちパターン」を取り入れる
上位競合に共通する施策(クチコミ数の多さ、写真の充実、特定分野への特化)は、MEOの基礎体力。自事務所に足りない要素から優先的に手を打つ。
空いている「ポジション」を取りに行く
誰も強く打ち出していないテーマ(特定業種特化、土日・オンライン対応、料金の透明性など)を見つけ、自事務所の差別化軸に据える。
競合が使っていないチャネルで先行する
競合がGoogle広告やSNS広告に出していない領域は、少ない投資で先行できるチャンス。MEOで土台を固めつつ、空いているチャネルを押さえる。
まとめ
税理士のMEOで成果を出す近道は、いきなりプロフィールをいじることではなく、まず「商圏内の競合を正しく知ること」です。本記事の手順をおさらいします。
商圏内・競合リサーチの全体像
- STEP1:Googleマップで商圏(都市部なら半径1〜3km、地方なら5〜10kmが目安。実際の検索結果で補正)の競合をリストアップし、名称・URL・クチコミ数・評価などを一覧化する
- STEP2:クチコミ数・平均評価・クチコミ本文の3点から、各競合の実力と顧客の本音を読み解く
- STEP3:ビジネスプロフィールと公式サイトから、各競合の強み・専門分野・訴求軸を掴む
- STEP4:Google「広告の透明性について」とMeta「広告ライブラリ」で、競合の広告出稿状況を確認し、集客チャネルを把握する
これらはすべて、無料の公開ツールだけで実行できます。半日もあれば、商圏内の競争環境のリアルな地図が手に入ります。まずは自事務所周辺でGoogleマップを開き、「税理士」と検索するところから始めてみてくださいね。
競合を知ることは、自事務所の”勝ち筋”を知ること。リサーチで見えた空白こそ、あなたの事務所が選ばれる理由になります。
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